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任意整理とは何か

弁済を要する任意整理

任意整理とは、裁判所による手続を経ず代理人が債権者である貸金業者と交渉し、履行可能な範囲に債務を限縮し、分割払い等の支払方法を約して和解契約を締結する手続である。
多くの金融業者が利息制限法の制限利息を超過して利息を受領しているので、残債務を利息制限法にのっとり引き直して債務を限縮する。
弁済原資として、親族からの援助、退職金、不動産売却金等のほか、過払金返還請求によりもたらされた金員を弁済原資に組み入れる方法もある。

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弁済を要しない任意整理

また、消滅時効の援用や相続放棄、あるいは債務免除の申立て等、依頼者(債務者)の弁済を要しない解決法による場合も任意整理の一種といえる。

過払金返還請求

利息制限法によって引き直し計算を行い、超過利息を元本に充当していくと元本がマイナスになる、すなわち過払金返還請求ができる場合がある。
このような場合、過払金返還請求交渉を行い、交渉がまとまらない場合は、過払金返還請求訴訟を行う。
任意整理案件だからといって、任意交渉でまとまらない場合には訴訟を行う点で、全く裁判所の手続を要しないというわけではない。

任意整理のメリット・デメリット

メリット

(a)弁済を行う方式での任意整理
(ア)この方式での任意整理においては、自己破産を回避できるというメリットが大きい。
自己破産回避のメリットとは、
①破産により資格を失うような職種の依頼者(債務者)の資格の確保や、
②自己破産の方法では確保できない資産(自宅等の不動産)がある場合、
③以前に自己破産をし、再度の免責が得られる程の期間経過がない場合等である。
これらは、自己破産のデメリットの裏返しといえる。
(イ)任意整理は、ブラックリストの掲載期間や再度融資を受けられるようになるまでの期間も、自己破産よりも短期であるといわれている。
これは、以下のような事情によるものと思われる。
官報情報の保有期間は7年あるいは10年、支払延滞情報の保有期間は5年とする信用情報機関が多い。
その結果、官報公告がなされる自己破産の場合、7年間あるいは10年間記録が保有されるのに対して、任意整理の場合には支払延滞情報のみの5年間の保有で終わると考えられるからである。
ただし、あくまでこれは、情報の保有期間について信用情報機関の公表している基準に基づく推論に過ぎない。
(ウ)また任意整理は、依頼者にとってはマイナスイメージの強い自己破産を回避できたという心理的利益や、自己の借入れによって生じた多重債務状態を自らの力で乗り切り脱却したという達成感、今後の経済的更生にむけた自信や責任感を醸成するという効用が認められる。
(エ)さらに任意整理は、貸金業者ら債権者との個別和解の方法による債務整理であるから、手続面をはじめ法の規制が厳格な自己破産や個人再生と異なり柔軟な対応が可能である。
高金利でさえなげれば何とか返済が可能という依頼者に向いている手続である。
(b)弁済を行わない方式での任意整理
この方法おいては、自己破産等を回避できるという利点のほかに、金銭の支払なしに債務を消すことができるという利点がある。

デメリット

(a)弁済を行う方式での任意整理
(ア)任意整理は、支払額の減額を求める等の方策を講じるにしろ結局は弁済するということであるから、まず依頼者に返済のための資力(弁済原資)があることが必要である。
そこで、依頼者の親族が弁済資金を用意しているとか、依頼者が退職金や不動産売却資金、貸金業者からの過払金返還等でまとまった資金を用意できるとか、就労による安定収入があって弁済原資を確保しても家計を圧迫しないといった事情が必要である。
月々の弁済可能額の算定とその実行の見通しを誤れば、和解案に基づく弁済が困難になり、結局自己破産を要することにもなりかねない。
任意整理によって中途まで弁済を続けた後の自己破産は、それまでの任意整理による弁済が、債務者の経済的な更生にとって無為の弁済となるおそれがある。
それ故、任意整理を選択するにあたっては、弁済を続けることが債務者の経済的更生にとって妨げとならないのか、弁済やプール金の積立てが実行できるのか、慎重に見極めなければならない。
(イ)また任意整理は、あくまで訴訟外の交渉による解決であるから、債権者が交渉に応じず、貸金返還請求訴訟を提起することを阻止する法的効力はない。
そして任意整理は、減額交渉においても民事再生のような裁判所の手続による強制力をもった減額という方法がとれない。
のみならず、任意整理において柔軟な対応が可能であるということは、その裏で、貸金業者が自己に有利な和解内容を引き出そうとして攻勢をかけてくる可能性があり、代理人の判断において処理の公平さや公正さの確保に腐心しなければならない。
そのための指標として、東京三弁護士会の統一基準の遵守など処理基準の明確化・固定化が提唱されている。
これは、代理人が貸金業者と任意整理の交渉をする際に有利な条件を得るためでもあるが、何より依頼者(債務者)の経済的更生を図るという趣旨・目的のためである。
(ウ)次に、任意整理は時間がかかることが多いことが指摘される。
債権者(貸金業者)と安易な和解をしないため、粘り強く交渉していくことが必要であり、自己破産・個人再生のような裁判所の手続にくらべ時間を要する結果になる場合が多い。
無論、これも交渉に要する時間の問題であって、早期にまとまる場合もあるから、時間がかかるというデメリットは任意整理に必然のものとはいえない。
また、解決までの時間は、債務者にとって経済的更生に向けた生活改善の機会であるから、任意整理の処理期間の長期化は必ずしも依頼者の利益を損なうものではないとの意見もある。
(b)弁済を行わない方式での任意整理
(ア)消滅時効の援用等の方法による債務整理は、弁済を行わないのでデメリットは生じにくい。
デメリットが生じうるのは、相続放棄の方法の場合である。相続放棄の場合、自宅不動産等の積極財産が被相続人の遺産であるときに、積極財産も相続できないというデメリットがある。
(イ)その他、弁済を行わない方式での任意整理においては、時間がかかるというデメリットも生じにくい。
消滅時効完成が明白な場合、介入(受任)通知に消滅時効の援用を併記して送付すれば、それで事件処理かほぼ終了する。
ただし、消滅時効完成前の債務者につき、消滅時効が完成するのを待つという事件処理の場合には、時間がかかるというデメリットは顕著である。
とはいえ、この場合のデメリットとは、結局代理人の事件処理の負担の問題であって、介入(受任)通知を出し依頼者(債務者)宛の債権者からの連絡が止まっているのであるから、依頼者(債務者)に特段の負担がないことを説明すれば足りる。

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